|
消極損害(事故がなければ得られたと考えられる利益)
休業損害
対象は有職者と家事従事者のみです。自賠責の支払額は原則1日5700円でそれ以上の収入があることを立証できれば最大19000円まで支払われますが、収入がどんなに多くても19000円を超える支払いはされません。
弁護士会等の基準では給与所得者の場合、実質賃金×日数で事故前3ヶ月の収入を平均し一日あたりの賃金を出します。休業をしても給料の6割が会社から支給された場合は残りの4割しか加害者側には請求できません。
個人商店や工場などの経営者や作家、弁護士、医者などの場合は前年度の確定申告の年間所得額を基準とします。申告額以上に収入があったことを確実に証明できれば裁判で認めたケースもあります。年度によって差がある人は事故前3年間の平均収入を出しそこから総経費及び税金を差し引きその人の年収とします。
農業や漁業者の場合は年収を365で割り一日あたりの平均賃金を出します。
主婦の場合は10実際の収入額又は女子労働者の平均賃金の多い方を基準にして算出します。
休業損害となる期間は医師の診断書によって決まり、通院期間中も診断により「休業を要する」となる場合にはその期間は休業扱いとなります。後遺症が残るようなときは後遺障害等級の認定時までは休業期間としてよいでしょう。
死亡の場合の逸失利益
高齢で無職の者には適用がないとみます。
給与所得者の場合、本給、歩合給、諸手当、ボーナス、昇給、退職金等が対象となります。事故前3ヶ月間の平均を出し算出します。
個人商店や工場などの経営者や作家、弁護士、医者などの場合は前年度の確定申告の年間所得額を基準とします。家族で経営している商店や飲食店では事業収益に占める本人の寄与分をその所得の基礎とします。
農業や漁業者の場合は収益を裏付ける帳簿をつけていなければ農業では税務署で農業所得基準表から算出します。漁業は漁業組合や網元の証明書などで算出できます。
いずれにしろ収入の証明となるものがないと、裁判でも単に加害者側に請求するにしても困難が多いと思います。
| 逸失利益の出し方 |
給与所得者 |
事業所得者 |
家事従事者 |
幼児・学生等 |
無職者 |
| 収入金額 |
事故前の現実の収入額 |
事業収入中に占める寄与分 |
賃金センサスの女子労働者の平均賃金 |
賃金センサスの平均賃金・養育費の控除なし |
男子又は女子労働者の平均賃金 |
| 生活費の控除 |
一家の支柱 |
30%〜40%を収入額より控除 |
| 女子(主婦・女児を含む) |
30%〜40%を収入額より控除 |
| 男子単身者(男児含む) |
50%を収入額より控除 |
| 就労可能年数 |
原則67歳までを就労可能年数とする
55歳以上の高年齢者(主婦を含む)については67歳までの年数と各歳の簡易生命表の平均余命年数の2分の1のいずれか長期のもの |
| 中間利息の控除 |
裁判所では今後ライプニッツ式で統一されるようです。 |
| 計算式 |
収入金額×(1−生活費控除額)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
幼児・児童・生徒・18歳未満の学生及び働く意思と能力を有する者(有職者・家事従事者・18歳以上の学生以外)の場合の就労可能年数及びライプニッツ係数は、下記(例)に準じて計算する。
(例) 3歳の場合
- 就労の終期(67歳)までの年数64年(67年−3年)に対応する係数 19.119
- 就労の始期(18歳)までの年数15年(18年−3年)に対応する係数 10.380
- 就労可能年数 49年(64年−15年)
- 適用する係数 8.739(19.119−10.380)
|
後遺障害の場合の逸失利益
逸失利益とは後遺障害を負ったことで事故前と同等の仕事ができなくなり収入が減少するために失われる利益のことです。
死亡の場合と同様、基礎となる収入額を被害者側が証明しなければなりませんが、生活費控除はありません。次に労働能力損失率の割合を調べます。
基本的な計算式は 収入金額×労働能力損失率×ライプニッツ係数
|